声が低く、ハスキーなので、小さい頃からからかわれたり、風邪なのかと聞かれてきた。ちょっと辛かった時期もあったけど、地声だし、持って生まれてきたものは仕方ないよね!と今では受け入れている。
公立小学校で「帰国子女だから英語のテスト満点とれちゃうよね」と言われた。英語は話せても、文法は苦手だったし、ミスはするかもしれないからプレッシャーに感じた。思わず「ずっと日本に住んでるなら国語のテスト満点とれるよね」と言いたくなった。
一般受験でICU高校に入って、他校の人からは「ICU高校に行けるなら英語できるんだ」と言われるけど、英語できないから勘違いしないでほしかった。自分ができないことを「できるんだ、すごいね」と言われるのは結構つらかった。
オーストリアで、現地の人に「Chinese!」と笑いながら叫ばれた。中国人を見下したような発言に同じアジア人として嫌な気持ちになった。
友達や先生に自分の字を見せた時に「女子なのに汚いんだ」や「女の子らしくない字ですね」と言われて傷ついた。
よく「A型は几帳面、B型は自分勝手、AB型は二重人格、O型は大雑把」という話を聞く。人の性格を4種類に分かれるわけないのにと思ってしまう。
ICU高校で「一般生だから頭がいいよね」と言われた。少しプレッシャーを感じて不安になった。
新しいことに挑戦しようとした時「君じゃ無理だよ」と言われた。応援して欲しかったのに。
生徒会長に選ばれたとき、「頭良いから当たり前だよな」と言われて傷ついた。
海外に住んでいたとき、「アジア人は学力が高いんだね」と言われた。いい成績を取るのに努力をしたのを無視して、人種に集中されたことに傷ついた。
フィンランドでフィンランド人の知らないおばあさんからアジア人差別っぽい態度を感じた。アジア人だからどうこうと言っているように聞こえた。
公務員として働いているとき、「公務員は、もう安定だよね!!」「公務員の給料だったら余裕だよね!」と言われて、なんか悲しかった。
私はもともと結婚願望がなく、夫と36歳の時に趣味の俳句を通じて知り合って初めて一緒に二人で生きていきたいという思いが生まれ、39歳の時に結婚した。それまで未婚でいても全く平気でしたが、しばしば「結婚しないの?」と親族・趣味の俳句の先輩方やいろいろな方から怪訝に思われたり、ある意味「変人扱い」されていた印象がある。いつもニコニコ笑って受け流していたが、こんなに「未婚・既婚」が他者に気にされてそのことで、見方が変わるのだとすれば問題だなあと思っている。
晩婚であったこともあり、夫も私も子供を持つということへの思いはなかったので、子供はいないが、そのことで周りから気にされていたことがあった。よく「お子さんは?」と聞かれることもあり、いつも「晩婚だったので子供はおりません」と答えると、「あっ、ごめんなさいね!余計なことをお聞きして…」などと言われて、「子供がいないことで気の毒がられているのかな?」と思うことがあった。「いえいえ、全く気にしておりませんので大丈夫ですよ。」と、にこにこして受け流したが、「ああ、子供がいないことで気の毒に思われるんだな」と思うことはある。世の中には子供を強く望んでいて、それが叶わず辛い思いをされている方ももちろんいらっしゃるが、「子供がいないこと」=「さびしい」「気の毒なこと」という図式の中で考える人がまだ多くいる気がする。人それぞれであり、「子供がいること」が幸せな生き方の必須条件ではないと思う。それに他者の基準でものごとを考えていくとキリがない気がする。私の友人は子供が1人いますが、1人産んだらその後で「一人っ子は寂しいわよ。もう一人欲しいところね」などと周りから言われて嫌だったと話していたことがある。子供を持っても、またさらに周囲にいろいろ言われ、その子の進学・結婚・その子の子供(孫)がどうのこうのと本当にキリがない気がする。
私の姉は30歳過ぎ頃からパニック症候群になり、私は姉にきちんと心療内科に行った方がよいと勧めたが、その当時田舎に住んでいた姉は「そんなところに行ったらみんなに変な目で見られる」といってなかなか受診しなかった。その後、札幌に転居してから心療内科にかかったが、「精神疾患」について姉のように当事者自身が偏見を持っていて、必要な治療を受けられていないということも多いのではないかと思った。私の幼少時からの友人も40歳過ぎで「うつ病」になったが、そのことをなかなか言い出せなかったらしく、ある日私に話してくれた時に、「こんなに偏見なく聞いてくれて嬉しい。他の友人には誰も言えないけれど、こうして話を聞いてくれて、本当に良かった!」と言われた。私は、「うつ病の人はいっぱいいるし、自分で「うつ病」に対して他の人が偏見を持っているって思い込むことないよ。」と話したが、姉もそうだったが、当事者なりの不安があるのかもしれない。もう少し「世の中はあなたに偏見を持っていない」ということを「うつ病」の人などに伝えていけると良いなと考えてる。