自然と共に生きる建物

木造建築の多い国『日本』

日本では、住居や神社仏閣など古来より木造建築物が多く建てられてきました。
一方、西洋や東南アジアでは石やレンガ等で建てる組石造建築が主流であり円形闘技場コロッセオ、パンテオン神殿など、古代ローマ建築よりその文化は続いています。
近年日本では木造建築以外にも、鉄筋コンクリート、鉄骨造といった建物も建設されています。
それでは、何故今まで日本には石造建築が無かったのでしょうか。

木造建築の『メリット』

 
 

木材の調湿性

木材は室内の湿度が高ければ湿気を吸収し、カビや結露などの発生を抑えます。 また、室内の空気が乾燥してきたら木材の蓄えていた中にある水分を空気中に放出して、湿度を調整しています。

低コスト

木造の建物は、鉄筋よりも軽い木材で構造の形を作るため、基礎工事の手間があまりかかりません。 他には鉄骨系よりも比較的下処理が簡単に済みますので、費用を抑えることができます。

耐震性

木造の建物は、鉄骨系建造物よりも柔軟性が高いため粘り強く揺れに耐え、比べて軽量です。 地震エネルギーは建物の重さに比例するため、地震の揺れによる影響が少ないと言われています。

建物と『これから』

日本のほとんどの地域は温帯で、湿度が高い傾向があります。そんな地域にピッタリの材質である木材は昔から日本に馴染んできたのです。

これまで木造のメリットのみを挙げていましたが、デメリットも存在します。

  • 鉄骨系建造物よりも、自然や気象による災害を受けることが多く、近年特に台風や突風によるものが増えてきています。 一方他の建造物に比べ、修復が容易いというメリットもありますが、やはり総合的な災害に強いのは鉄骨、コンクリートの建物です。 特にインフラに関わる機関はこの様な建材を使います。安定したインフラを供給するには安全性と耐久性欠かせませんので、より頑丈な建物が使われるのです。 近年では日本だけでなく、世界中の家も伝統的なものがなくなってきています。 ですが気候変動により鉄骨、コンクリートの建物では気温、特に湿度が1年を通して安定しないため空調設備、加湿器を多用します。これらを多用していくとCO2の排出量がどんどん増えてしまいます。

  • 電気の無い、鉄骨、コンクリート資源もない時代。我々人類は古来より山々や海、川といった地理的特徴に合わせて工夫し、共存できる建物を創り、そしてその建物はその地域の自然の循環の一部として成り立っていました。素材、建て方、修繕、保存全てが環境と地域社会の中に根付いていました。
    世界の建造物は地域の気候や暮らしを無言で語っているのです。
  • 自然と共に生きる

    人々は地域の気候、環境によって様々な工夫をして暮らしてきました。
    そんな世界の家々と生きる知恵を見てみませんか

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